儚くも美しきチャレンジャー

sarumania2005-05-31

2004年の大晦日、自らを新横のカリスマと恥ずかしげもなくのたまう株本ジャパン監督のTETSU氏とこんな話をした。
「ドリームマッチ観た?」「誰が勝つと思った?」
年末の特版でダウンタウン主催による、芸人がシャッフルにより相方を変え漫才をすると言う斬新な企画「ドリームマッチ」の話である。
出演者は確か、雨上がり決死隊、さまあ〜ず、キャイーンロンドンブーツ1号2号、ガレッジセール、山口智充出川哲郎・・・他にもいたようないなかったような・・・
まあそんな感じのメンバーをくじ引きでシャッフルし、新コンビでもちろん新ネタで面白さを競うのである。
お笑い大好き永遠のTVっ子の私は当然視聴しており、その感想についTETSU氏と大いに盛り上がったのであるが、不意に思いつきでこんな発言をした。
「これベルズのバンドでやればおもしろいんじゃない?」
「!!!、面白いかもね!」
「やろうやろう絶対面白いよ!」
その場のノリでいとも簡単に決まってしまった大それた企画、それが「輝け!第1回ドリームマッチ2005」だった。
確かそのままの勢いで出演者をチョイスし、独自のトッピング制度も設け、とんとん拍子に企画は進んでいった。
簡単に説明するとヴォーカルがギター、ベース、ドラムの基本メンバーをクジで引き当てひとつのバンドが出来る。ただそれだけでは4ピースのバンドがたくさんできるだけである。
そこで幅をもたせるために考案されたのがトッピング制度である。これにより各バンドがよりバラエティに富んだ形態になるしくみだ。例をあげるとツインギターであるとか、パーカッションであるとか、キーボードであるとかである。が、それだけで終わらないのが今やバラエティ箱と名高いベルズ企画である。
「名プロデューサー」「踊れないダンサー」「衣装代1500円(全て1円玉)」「演奏前のテキーラ一気飲み」数々の迷惑または秘密兵器的なトッピングがあげられた。
なかでも、「大久保熱唱」は大久保有平(アーバンチャンピオンとして名高いツバメボーイなソロシンガー)ではなく、「大久保熱唱」でなければならないのである。熱唱させることが前提なのである。
ちなみに私はコレを引き当ててしまったのだが・・・

そんなこんなで1月にこの抽選会ライブが催された。ピストルさんからは私漣率いるケンタロウバンドにトッピングのパーカッションとしてパピー笹千代、デラ黒田はマイクロニクルのニョロニョロ率いるバンドに、バッハはTETSUのバンドにトッピングキーボードとして参加した。
ともあれ7つのバンドが結成された。
後輩であり、よきライバルであるチョロッチョロのギター、チンチンロウによってドリームマッチのホームページも作成され、順位予想には何万票も入るほどの大盛況(普通にアリーナで出来るっちゅうねんっ!)でファンの期待度も窺えた。

そして5月31日、待ちに待ったドリームマッチが開催されたのであるが、当日ベルズの向かいにあるスタジオには出演バンドが勢ぞろいで、最後の悪あがきをしていた。

俺はその状況がおかしくておかしくてほほえましくてしょうがなかった。

どのバンドもベルズで売れっ子である。ワンマンやツアーなどのスケジュールと重なっていた者も多かった。そんな忙しいスケジュールを縫ってなんとか調整をつけ数回のリハに入り、そしてまた当日の本番前にスタジオに入っている。

なんだかんだ言ってみんな負けたくないんじゃん!


なんだろう・・・みんなのことがなんか大好きになった。


それぞれがライバル同士であるバンド、先輩後輩、舎弟、パシリ、が入り乱れてのこんな企画、普通はありえないだろう。

ベルズというライブハウスは自らを新横のカリスマと恥ずかしげもなくのたまう株本ジャパン監督TETSU氏の強引な吸引力のもとに、タテ、ヨコのつながりが非常に強い小屋だと思う。

そして手前味噌ではあるのだが、ピストルモンキー(ズ)がイベントなどでバカをやる。ソレを観た若手バンドが「え〜そんなんもアリなんだぁ〜」と同じくバカをやる。そんなエンタテインメントといえば聞こえがいいが、何でもアリの悪ふざけの連鎖反応。

今回はそんなベルズの血が顕著にあらわれたとっても素敵なイベントだったと思う。

このイベントで普段あまり交流のなかったバンドマンたちが無理やりにコミュニケーションをとり、遠慮しながらもそれぞれのやり方を吸収し刺激し合い、一致団結し、自分のバンドでは味わえない新鮮な気持ちでステージに立つ。
参加した誰もが何かを得ただろうし(何かを失った者もいるだろう(笑))この経験は俺自身もすごく勉強になった。


優勝は後輩であり、よきライバルであるチョロッチョロのマンタ率いる総勢9名からなる「ベルズ9」。   トッピングとして全国行脚の谷間で駆けつけてくれたN.U.、JimJAMzのイケメンツインギター、Out Smartの活きのいいバカ兄弟を擁した彼らが優勝したのは、もっともベルズらしい結果かもしれない。

みんな楽しいお祭りが大好きなのだ。



ベルズならではのベリースペシャルなスーパー企画「輝け!第1回ドリームマッチ2005」またやりたいけど、当分はいいや!

めっちゃ大変ですよって!






*写真は悪あがきをする馬鹿馬鹿しくも女々しきチャレンジャーたち。みんなの夢がかなうといいな!