愛あるバンドメン

sarumania2005-11-04

10月31日、新横のカリスマさびしんぼ反逆児TETSU氏の37回目の迷惑バースデーライブがオールナイトで行われ、翌1日の昼下がりからベルズのリフォームが開始された。
そもそもこのリフォーム案は、さして特徴のないベルズを、訪れた人たちの印象に残るような小屋にしようという私の思いつきから始まったのだった。
リフォーム内容はおもに、天井の塗り替えと受付の大幅改造の2点。
天井の塗り替えには名古屋が生んだ酒乱のペンキ職人、黒田塗装と、鶴見が生んだ変わった性癖のあるペンキ職人、エンジェルスマイルでお馴染み「ホッとミルク」のミヤが名乗りを上げてくれた。
また、作業工程の中で、現場を保護するため(ペンキが飛んだり流れたりしないよう)に養生という作業があるのだが、それに必要な道具一式を、最近「BLACK PEPPER GROUND」というバンドで動き出した、元「Out Smart」のパーフォーマンスボーカル、仔馬のような澄んだ瞳とハードにソフトモヒカンでお馴染みジャックスが、昔スリで培った業を生かして調達してきてくれた。
そして、受付の方はわが社のメジャー専務、フジケンの友人の優良業者SSメンテナンスサービス代表斉藤さんと川口さんが惜しみなく力を貸してくださった。

作業は丸々2日間をかけて、時に坂本龍一を聴きながらまったりと、時にモトリークルーを聴きながら急ピッチで進められた。


この2日間、リフォームの噂を聞きつけたベルズのバンドメンが応援に駆けつけてくれた。

ダメ職人ミヤと同じく「ホッとミルク」のブラック無糖ボスはドリンク・サオちゃんとともにホールに置くフライヤーの棚を創ってくれた。

「ARCHAIC SMILE」のバカ兄弟の使える方HIROSIはヤスリかけ、ハケ作業と精力的に動いてくれた。使えない方のenoはベルズに来て第一声「ビール飲んでいいっすか?」から始まり、木工用ボンドで仮止めしている木枠があるから気をつけてくれという忠告の直後、その木枠につまづいて破壊。その木枠に貼る金網をカットしてくれというと、見事に少し足りないというその名に恥じぬ使えねぇっぷりを発揮してくれた。
それでもちゃんと作業着で来てくれだけでも俺は嬉しかったのだ。


長渕ナイトで一緒にハモリあった「sprits」のこーじは、看板用に創った箱に網を張る作業をお願いすると、「やっと役にたてる!」と地味な作業を丁寧に丁寧にやってくれた。


チュルからはマンボーとあっちとうりが陣中見舞いにファイト1発リポビタンDをさしいれてくれ、壁塗り作業、照明のシェードの製作、enoの不手際の後始末と頑張ってくれた。

もちろんベルズスタッフであるリエちゃん、マイマイ、店長もそれぞれその力を十二分に奮ってくれた。

そうそうメジャー専務も斉藤さんを紹介しただけではなく、大工として斉藤さんたちのアシストはもちろん、なんということでしょう!開閉にいつもスタッフを悩ませたホールから楽屋に向かう板を引戸として生まれ変わらせたのです!


誰に強要されるでもなく誰もが自ら作業に加わり、ひとつ完成する度、皆で感嘆の声をあげ、力をあわせてやり遂げたリフォーム。
バンドメンが自ら愛すべきライブハウスをリフォームするというこのちょっといい話は、情熱大陸で取り上げられてもなんら問題のない素晴らしい出来事でありました。


いつも不当な扱いを受けている(?)スタッフが、あたらしく出来た自慢の小部屋に、念願のコックピットに、一時避難していた荷物を整理しながら戻している横顔が、黒く渋みを増した天井を見上げる背中が本当に嬉しそうで、このリフォームやってよかったなぁ・・・なんて、なんかちょっとカンドーしてしまいました。こんばんは漣です。


皆様ほんとにお疲れ様でした。そして今回のリフォームに超多大なるご尽力いただきました斉藤さん、川口さんにあらためて御礼申し上げます。本当に有り難うございました。








*写真は今回の「匠」黒田塗装の親方。見事なローラー裁きで「ダメ」なしの図。職人の力強さと繊細さが光ります。